PET診断センター
2024.08.02
2021.08.01
PET診断センターでは、がんの転移の有無の診断に対して最新のPET-CT装置を使用し、最善の治療方針を決める手段として、最新・高精度のPET-CTや従来のCTやMRIと組み合わせ、地域のがん医療に最善の診断・診療方針をご提供いたします。
PETとはPositron Emission Tomography(陽電子断層撮影)の略で体内の放射性医薬品の分布を画像化する検査です。
放射性医薬品は放射性物質を含んでおり放射線を出します。PETカメラはCT装置のように円筒状の構造になっており、放射性医薬品の投与を受けた後、この中に入っていただきます。
放射性医薬品から出た放射線を円筒の内部に配列された検出器で検出し、放射性医薬品が集まった部位を画像化します。
PETに用いられる放射性医薬品(FDG)は、放射線は出しますが、物質量としては極めて微量でそれ自身からだに作用を及ぼさないので、いわゆる副作用はありません。
FDGはフルオロデオキシグルコースの略でPET検査に用いる放射性医薬品です。FDGはブドウ糖に似たお薬でフッ素18という放射性物質が含まれています。がん細胞は正常の細胞よりも多量のブドウ糖を消費します。そのため体内に投与されたFDGはがん細胞に多く集まります。FDGの分布を画像化することによりがんの部位がわかるわけです。
しかし、FDGはがんだけでなくある種の良性病変や脳や腎臓などの正常組織にも集まりますので、がんと区別することが重要になります。
CTは体の外からエックス線を照射して、からだを通り抜けてきたエックス線の量から、臓器や病変の形を画像化します。
PET-CTはPETとCTが一体となった装置です。PETの画像はFDGの分布を表しますが、FDGが集まっている部位があったとして、それがどこなのか正確に見極めることが難しい場合があります。そのためFDGの分布をCTの画像と重ね合わせることにより、FDGが集まった部位とその広がりを正確に診断できるようになります。
ただPETとCTの画像にずれが生じる場合があります。当センターに設置されたPET-CTはこのずれが少なくなるよう工夫されています。
PET画像
CT画像
PET-CT画像
画像提供:GE Healthcare
がんの治療法を決める場合、リンパ節転移や他臓器への転移の有無が重要になります。がんがどの程度全身に広がっているかを調べることを病期診断と言います。PET-CTでは1回の静脈注射で全身の検査が行うことができ、がんの病期診断に威力を発揮します。
一方、1cm以下のがんや糖の取り込みの少ないがんの診断は困難です。
また心臓、腎臓、膀胱などの臓器には正常でもFDGが多く集まりますので、これらの臓器やその周囲の病変は見つけにくくなります。FDGはがん以外にも炎症や良性腫瘍、手術創、放射線治療部位などにも集積し、がんと紛らわしくなります。
そのため詳細な過去の病歴が正確なPET診断には必須なのです。
PET-CTが有効な分野
PET-CTが不得意ながん
当センターが導入したPET-CT装置は、今までより少ない放射性薬剤の投与量(被ばくが少ない)、短時間撮影にも関わらず、病気をみつけやすい画像が得られます。
今までは、みつかりにくかった小さながんをみつけることができ、正確な診断が可能になります。
正確な診断により適切な治療方針が選択できます。
また、今までより正確な指標を算出できることにより正確な診断、治療効果判定が期待できます。
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