放射線治療センター

治療内容
About Treatment

放射線治療例

がんに放射線を集中し、正常組織にはできるだけ放射線をあてない技術や機器の進歩により放射線治療の精度が急速にアップしています。今、からだへの負担の少ないがん治療として注目を集めています。

根治を目指した放射線治療

頭頚部がん(耳鼻咽喉科のがん) 肺がん、乳がん(術後照射) 、前立腺がんなど

症状緩和を⽬指した放射線治療

骨転移の疼痛緩和、脊椎転移の神経麻痺緩和、多発脳転移の全脳照射
※数個の脳転移はガンマナイフで治療(湖東記念病院で治療)

形態・機能温存を目指した放射線治療

生理機能を残した放射線治療(喉頭がんの声帯温存など) 、ピンポイント放射線治療(ステージIの肺がんなど)

頭頸部がん

放射線治療は、例えば喉頭癌等手術では声が出なくなってしまう症例でも声の機能を温存した治療が行なえます。最近は高精度治療により唾液腺の出にくくなる副反応も低減する事が出来るようになりました。

食道がん

手術が一般的ですが、抗がん剤との組み合わせで、食道を温存しながら治療することも可能です。

肺がん

早期の肺がんは、手術が一般的ですが、数回の照射で治療することも可能です。抗がん剤との組み合わせで、進行がんでも効果を発揮します。

乳がん

乳房温存術後に放射線を照射することで、再発を予防できます。進行した症例では、乳房全摘出後でも胸壁やリンパ節領域を含め放射線治療が必要になることがあります。

子宮がん

早期であれば腔内照射併用で手術と放射線治療で5年生存率はほぼ同等です。手術できない進行がんでも、放射線治療によって、十分治せる可能性があります。進行したがんの痛みや出血など、がんに伴う症状の緩和にも、大きな役割を果たします。

緩和治療

緩和治療とは癌を治すのを目的とするわけではなく、癌の進行を抑え症状を和らげること(緩和)を目的とします。放射線治療では薬物療法よりも効く場合もあり、痛みの緩和、身体症状の改善やQOL(生活の質)の向上を目的として緩和照射を行う症例もあります。

他にもさまざまながんで広く放射線治療が行われています。

脳腫瘍、腎がん、肛門がん、膀胱がん、精巣腫瘍、外陰がん、リンパ腫、肝臓がん、直腸がん、膵臓がん、皮膚がん、陰茎がん、腟がんなど手術が出来ない場合でも放射線治療が可能な症例もあります。随時ご相談ください。

IMRT / VMAT

強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy)/
回転型強度変調放射線治療(Volumetric Modulated Arc Therapy)

IMRTは、多方向から放射線の分布に強弱をつけて照射し、がんに放射線を集中させる照射法です。

従来の強弱をつけない照射方法と比べ、病変部位に対しては治療に必要な放射線量を維持しながら正常臓器への放射線量を低減する事が可能です。強弱をつけると言う表現はわかりにくいですが、ペンキを塗るようなハケで絵を書くのと細い筆で絵を書くのと違いを想像してください。太いハケでは一度で塗ってしまいます(塗る面に濃淡が無い=強弱が無い)が、細い筆では何回も塗る事により濃淡を作る=強弱をつける事が可能です(ただし太いハケで広い面積を一様に塗れるので、一概に太いハケが悪いわけではありません)。

また、IMRTの技術を応用したVMATの導入によって照射時間が短くなり、長く寝台に固定されずに済み、患者さんへの負担を軽減します。

従来法:均一強度

腫瘍近くの正常組織も腫瘍と同じ量の放射線照射でダメージを受けやすい。

IMRT:照射角度により強度を変える

悪性腫瘍には十分な放射線が照射され、正常組織へは少ない照射に抑えられる。

IGRT

画像誘導放射線治療(Image Guided Radiation Therapy)

IGRTとは、2次元画像、または3次元画像を撮影し、その画像に基づいて照射を行う毎に患者さんの体位や臓器等の位置のずれを確認し補正を行うことでより正確に照射が行える照合照射方法です。当センターではX線撮影装置によって正確な位置情報を得た後、ロボット機能を持った寝台装置を用い0.1mm単位で照合・位置補正が可能です。

IGRT画面(目的部位に合わせて寝台を動かして照射する)紫:治療計画時 緑:治療直前

IGRTを用いて、照射前に治療部位の確認と位置合わせを行うことで、治療計画に沿った照射を行うことが出来ます。この事例では→の部分に若干のズレが生じている事(紫・緑だけが見えて重なっていない)がわかりますが、腫瘍位置が計画時の画像位置と合うよう画像照合・位置補正を行い照射します。

病変部(肺がん)が変位している例

こちらは肺癌治療症例です。紫:治療計画時の画像 緑:治療直前の画像を重ね合わせた事例を示します。治療期間中に癌の大きさや周囲への炎症反応等による変化が発生し治療計画時の画像としばしば大きなズレを発生させる場合があります。この症例では骨の部分にズレが少ない事、胸水の減少から体は正確な位置に位置づけされているのに癌(黄色○で囲まれた中)が治療計画時の位置から変位している事が示唆されます。

直腸のガスにより病変部位(前立腺)が変位している例

こちらは前立腺癌治療症例です。治療標的である前立腺部(赤丸)に治療計画時には無かった空気(おなら)により前立腺が圧排され変形しています。

治療計画

治療計画

治療直前

治療直前

SBRT

体幹部定位放射線治療(Stereotactic Body Radiation Therapy)

体幹部の病変部位に対して3次元的に多方向から放射線を高精度に照射することにより、周辺臓器の正常な組織への影響を抑えながら病変部位へ放射線を集中する技術です。この手法により1回あたりの放射線量を増やすことが可能となり、短期集中照射により治療効果が高くなります。
照射中、患者さんの動きや臓器の体内移動を抑制するために体幹部用の固定具(シェル、バキュームクッション)などを用い、X線透視や呼吸同期などを行い照射部位の動きを確認しながら照射します。腫瘍位置の確認のためにマーカーを入れることもあります。
SBRTの主な適応疾患は、肺がん、肝がん、脊椎および傍脊椎領域の少数遠隔転移性の病変部位です。

肺がんに対する治療計画画像

肺がんに対する治療計画画像

※原発病巣が直径5センチメートル以下であり転移病巣のない原発性肺癌、原発性肝癌又は原発性腎癌、3個以内で他病巣のない転移性肺癌又は転移性肝癌
※転移病巣のない限局性の前立腺癌又は膵癌
※直径5センチメートル以下の転移性脊椎腫瘍
※5個以内のオリゴ転移※及び脊髄動静脈奇形(頸部脊髄動静脈奇形を含む)に保険適用されます(2020年4月時点)。

呼吸移動対策について

当センターに導入された放射線治療装置には呼吸による照射標的の移動に対して効果を発揮する呼吸同期照射を行うための機能が備わっております。
呼吸モニタリングシステムと連動し、息止め照射や自由呼吸下での同期照射を行うことができ、放射線治療適応の幅を広げます。意図しない動きが生じた場合は自動でビームを停止させることで安全に治療を行うことが可能となります。

Breath-hold Gating
  • 呼吸停止下でのゲーティングテクニック
  • 指定した呼吸停止位置のみビームON
Free-breathing Gating
  • 自由呼吸器下でのゲーティングテクニック
  • 指定したターゲット位置のみビームON
Exception Gating
  • 意図しない患者さんの動きに対するゲーティングテクニック
  • 指定したストレッシュホールドから外れた時にビームOFF

MLC

マルチリーフコリメータ(Multi Leaf Collimator)

放射線治療では、病変部位への線量集中とその周辺組織の保護が非常に重要です。
マルチリーフコリメータは、高精度放射線治療を行うために必要不可欠な装置で、病変部位への線量集中、正常組織への線量低減などを行う照射範囲を調節する装置です。
当センターの放射線治療装置では、高精度マルチリーフコリメータを搭載しており、放射線治療の多様なニーズに対応しています。

マルチリーフコリメータ(赤枠:照射する放射線量を調節する部分)

マルチリーフコリメータ
赤枠:照射する放射線量を調節する部分

ページトップへ

お問い合わせ・ご予約

医療法人社団 昴会医療法人社団 昴会