更新日:2026年10月01日
乳がんは女性がかかるがんの中で最も多く、日本では女性の約8人に1人が生涯のうちに乳がんと診断されるとされています。
一方で、乳がんの診断や治療は進歩しており治療成績も向上しています。乳がんの治療は、手術や薬物療法、放射線治療など多岐にわたり、治療が長期に及ぶことがあります。また、治療による副作用だけでなく、仕事や家庭生活、治療後の生活など、さまざまな悩みや不安を抱えることがあります。
そのため、乳がんの専門医による治療だけでなく、患者さん一人ひとりの生活や思いに寄り添い、多職種で支えることが大切だと私たちは考えています。
当センターでは、乳がん診療に関わる専門職が連携し、患者さんにより良い医療とケアを提供することを目指しています。診療科や職種の垣根を越えて、定期的なカンファレンスを行い、患者さんの病状だけでなく、困りごとや生活背景、治療に対する思いなどを共有します。
検診から診断、治療、その後の生活まで、患者さんが「その人らしい暮らし」を続けられるよう、チームでサポートしていきます。
同じ乳がんでも、乳がんの性質(サブタイプ)や病期、患者さんの年齢や生活背景などによって、適した治療は異なります。必要な検査を行い、その結果をもとに、一人ひとりにとって最も適した治療方法を検討します。治療については、患者さんご本人だけでなく、ご家族にもわかりやすく説明し、納得して治療を選択していただけるよう支援しています。
乳房に痛みやしこりを感じた方、検診で再検査を言われた方々の受診時には、女性スタッフがマンモグラフィー(乳房撮影)や乳腺エコー(超音波)検査を行います。必要に応じて、細胞診や針生検、吸引太針生検などを行い、病変の性質を詳しく調べ、診断につなげます。また、治療方針の決定に必要なCTやMRI、PET-CTなどの検査にも対応し、患者さんの状態に合わせて必要な検査を適切に行います。
検査から診断、治療方針の決定まで、できるだけスムーズに進められるよう努めています。
乳がん治療は、手術・放射線治療・薬物治療(ホルモン剤、抗がん剤、分子標的剤、免疫チエックポイント阻害剤)があり、患者さんの病状や治療の目的に応じて、これらを組み合わせた治療を行います。
手術では経験豊かな乳腺外科医を中心に、必要に応じて形成外科医や病理医などが連携し、安全に治療を提供します。
放射線治療では、放射線治療専門医と医学物理士が常勤している「放射線治療センター」で安全で質の高い治療を提供します。
また、近年進歩している薬物療法についても、薬剤師、栄養士、がん化学療法看護認定看護師、乳がん看護認定看護師など、多職種が連携して副作用への対応や療養生活を支援します。
薬物療法は外来で行うことが多く、患者さんができるだけ普段の生活をつづけながら治療を受けられるよう支援しています。必要に応じて入院での治療にも対応します。
乳がん手術には乳房全切除術と乳房部分切除術があります。乳房全切除術後に乳房再建を希望される患者さんには、女性の形成外科医師と連携し、乳房再建について相談・治療を受けていただける体制を整えています。乳房再建についても、患者さんの希望や生活背景を大切にしながら、一緒に治療方法を考えていきます。
乳腺専門医に加え、乳がん治療に携わる認定看護師をはじめとする看護師、薬剤師、その他の医療スタッフが連携し、患者さん一人ひとりに合わせた医療とケアを提供します。
定期的なカンファレンスを行い、治療方針だけでなく、患者さんの不安や悩み、生活上の困りごとなどもチームで共有します。
「治療について聞きたいことがある」
「副作用が心配」
「仕事を続けながら治療したい」
「治療後の生活について相談したい」
そのような患者さんのさまざまな思いに耳を傾け、安心して治療を受け、その人らしい生活をつづけられるよう支援します。
病床数35床のうち個室23床を準備しています。
治療や療養生活を送る中で、患者さんが安心して過ごせるよう、プライバシーに配慮した療養環境づくりを大切にしています。
少人数病床だからこそ、医療スタッフと患者さんとの距離が近く、一人ひとりの生活や思いに合わせた細かな医療・看護を大切にしています。
患者さんの声に耳を傾け、その人らしい生活を尊重しながら、安心して治療を受けていただけるよう支援します。
乳がんの治療は、病気を治すことだけがゴールではありません。
治療を受けながら仕事や家庭での生活を続けること、治療後の人生を自分らしく過ごすことも大切です。
私たちは、患者さん一人ひとりの不安や悩み、希望に耳を傾け、「この治療を受けてよかった」と思っていただける医療を目指します。
診断から治療、そして治療後の生活まで。
患者さんとともに考え、ともに歩む乳腺センターでありたいと考えています。